DeAngelis v. Corzine, No. 11 Civ. 7866 (S.D.N.Y. Feb. 9, 2015)において、連邦地方裁判所は、調査に関する資料 は、調査報告書が一般に公開されることが当初から予 定されていたような場合であっても、弁護士と依頼人 の間の秘匿特権の法理、及び、職務活動の成果(ワー ク・プロダクト)の法理で保護される、と判示した。 本件で、MFグローバル社の破産管財人は、証券投資 化保護法(「SIPA」)に従い必要な調査及び財産の探 査のため、アーンスト・アンド・ヤング(「EY」)を 雇用した。法の規定に従い、調査報告書は破産裁判所 に提出され、一般に公開された。個人である被告 は、(1)調査報告書は公開されることが予定されていた ことから、調査資料は秘匿特権で保護されない、(2)当 該調査はビジネス目的及び法的目的の双方を有するも のであったため、ワーク・プロダクトの法理によって も保護されない、(3)管財人は調査報告書に記載された 事実に依拠した、と述べて、EY社による調査資料の開 示を求めた。裁判所は、これらの主張を全て退けた。 第1に、裁判所は、開示されていないEYの調子資料 は、弁護士と依頼人の間の秘匿特権で保護される、と 判示した。裁判所は、Upjohn-I事件における連邦最高 裁判所の判断を引用して、調査によって得られて報告 書に記載された事実が秘匿特権で保護されなくても、 報告書作成にあたっての弁護士とのコミュニケーショ ンは秘匿特権で保護される、とした。そして、得られ た情報が最終的に開示されるとの事実によっても、コ ミュニケーションは依然として保護される、とした。 第2に、裁判所は、調査資料はワーク・プロダクトの 法理で保護される、とした。被告が、調査資料はワー ク・プロダクトではないと主張していたところ、調査 資料はSIPA手続のためだけに作成されたものであり、 当該手続が存在しなければ作成されなかったものであ るため、被告の主張は「妥当ではない」と述べた。 第3に、裁判所は、調査報告書で開示された事実を管 財人が利用したことによっても、秘匿特権が放棄され たことにはならない、と判示した。本件調査から得ら れた事実に依拠した訴状では、EYが作成した秘匿特権 で保護される文書・文言を選択的に引用するものでは なかった、と指摘し、訴状では、被告に開示された秘 匿特権で保護されない文書からEYが引用した事実を 特定するものである、と指摘した。